血液の流れの悪さが病気をおこす

      2017/07/29

血液の流れが止まると、生命を失う。心筋梗塞で一瞬にして心臓が止まったAさんはその例だ。

死に至らなくても、血流が一時的に停止すれば、手足が麻痺したり、言語障害がおきることは、脳梗塞や脳出血の症状をみればわかる。

血液の流れが、直接、いのちにかかわる病気に関係していることは誰でも知っている。私の場合も、いのちにかかわるものではなかったが、足を切断しなければならない危険性があった。切断せずに放置すれば、敗血症になって全身の血液の流れが止まり、今度こそ、いのちにかかわるからだ。

また、高血圧の人ならば、天気や湿度によって、頭が重いとか、目が回るなどと感じているだう。

俗怠感・疲労感などといった体の不調を感じることもある。いわゆる「不定愁訴」といわれるものを多くの人が経験しているはずだ。

そうしたとき、私たちは「血のめぐりがいい、悪い」といい、体の各部の働きに、「血行の善し悪し」が関係することを五感で感じとっている。血液の流れの善し悪しが、健康状態に影響することを経験的に知っているのだ。

高血圧も実は、血液の循環の悪さからくる一つの症状にほかならない。

「血のめぐり」を専門用語では「血液循環」というが、何よりもまず、健康にとって血液循環が大切だ。

血液は、体中の細胞に酸素と栄養分を運ぶ。そして、かわりに炭酸ガスと老廃物を受け取る。

血液が体の中で巡ると体細胞はエネルギー物質を生み出しはじめ、自身を構成する素材やそれに必要な酵素をつくり出します。

したがって血が循環しなければ、いくら肺から酸素を沢山吸い込んでも、また、腸で栄養をしっかり吸収しても、体中の細胞には行き渡らせることはできません。

例えるならば、工場で製品を作ってもそれを店舗まで運ぶトラックが動かなければ品物は手に入らないのと同じですね。

したがって、酸素を運ぶ血液が巡り巡らない限り、臓器は貯蔵しているエネルギーを段々使っていってしまい徐々に弱っていきます。

脳で四分、心臓の虚血部分で三~四時間、これをこえると、臓器の細胞は壊死する。

血液の循環の中で、特に重要なのは毛細血管だ。体の末梢組織は、毛細血管でのガス交換・物質交換によって、組織の代謝・活性を保っている。

私たちの体が健康な状態とは、この物質代謝がうまく行われ、組織が末端まで活発に機能している状態だ。

血液があるだけでは、体の細胞の活動は維持できない。血液が循環して初めて、生命が維持されるのだ。

血液の三分の一が失われると、生命を失うといわれる。血管が収縮しても血圧が出なくなり、循環が停止してしまうからだ。では、私たちの体を支える血液の循環量はどれくらいなのだろう。

まず、血液の量についてみてみよう。血液の量は、その人の体重のほぼ八バーセントだといわれている。体重六〇キログラムの人なら、約四・八リットルだ。

その血液をたえず心臓が送り出す。安静時の拍動は毎分およそ七〇回。 一日に換算すると一〇万八〇〇回、心臓が打っていることになる。

一回の拍動で約七〇ミリリットルの血液が送り出されるので、その量は一分間に五リットル、 一日に七二〇〇リットルになる。 一升瓶にして四〇〇〇本近い。

一分間に心臓が送り出す血液量は心拍出製ピ呼ばれ、血液総量にほぼ等しい。すなわち、全血液は約一分間で全身を回って心臓L戻ってくる。 一日に一四四〇回、血液は体を回っていることになる。

血液の循環系は、体の中の輸送システムだ。私たちの社会の中の交通と物流を担う輸送システムに相当する。物流には電気、ガス、上下水道も含まれるが、血液の循環系も同様だ。

今の日本で自給自足の生活をしている人、またはそれができる人はほとんどいない。交通。物流が遮断されれば、人々はただちに生命の危険にさらされる。台風や地震で救援が急がれる理由だ。

しかし、より怖いのは、交通。物流の便がしだいに悪くなることだ。生活の不便が高まると、人々はその地域を離れていってしまう。地域社会がしだいに過疎化し、最後には崩壊してしまう。それと同じように、循環が止まると、止まった周辺の組織はただちにダメージを受ける。

循環が悪くなると、組織はしだいに壊れていき、生活習慣病と呼ばれる病気がおこってくる。痛みがわかりにくいだけ、より怖いのだ。

だから、血液が循環しているかどうかだけでなく、どのように流れているかが重要になる。たとえば、血液が流れにくくなれば、それを流そうとする力がよけいに必要になる。そのために、圧力をかけて血液を流す。つまり、血圧が高くなる。血圧が高い状態が続くと、あとで述べるが
動脈硬化が進む。

動脈硬化が進むと血液はさらに流れにくくなる。このあたりで、組織が活動して酸素をたくさん消費しているときに、酸素の供給不足がおきてくる。これが繰り返されると動脈硬化はさらに進む。

ほかの組織の活動時の機能不足も目立ってくる。生活習慣病である。

動脈硬化の部分では、血液がかたまって血栓ができやすくなる。その血栓が心臓に栄養を行き渡らせる冠状動脈におきれば、心筋梗塞になる。脳の血管におきれば脳梗塞になるのだ。

血液循環が悪くなると、酸素の需給バランスがくずれ、最後には死に至る病を引きおこす。一肩凝りや俗怠感などの体調の悪さは、血液の流れの悪さを示す警告なのです。

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